「何もしないをする」ことは最高の何かにつながる。プーさんの物語の中の最も有名なコンセプトである。物語を30年ぶりに読み直してから手帳に貼った。
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うめはん(阪急百貨店うめだ本店)の英国フェア2021に今年も魅力的なテディベアがたくさん登場した。なかでも写真のプーさんのモデルになった古いぬいぐるみ、エドワード・ベアの展示に目をひかれた。

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ロンドンのハロッズ百貨店でJ.K.ファーネル社のエドワード・ベアをクリストファー・ロビンに母親が買ってあげたのが1921年、ちょうど今から100年前のことである。メリーソート社がエドワード誕生100周年記念で復刻したアニバーサリー・エドワードベアを限定50体、¥42,900で販売していた。
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プーさんのことを久しぶりに思い出して、本を買って読んでみることにした。写真は、愛蔵版の『クマのプーさん全集 おはなしと詩』である。大判カラーで、「クマのプーさん」「プー横丁に立った家」の物語2作と、同じ、作者ミルン、挿絵画家シェパードのコンビによる詩集2作「クリストファー・ロビンのうた」「クマのプーさんとぼく」がおさめられている。この完全版、岩波書店1997年刊の¥8,360だ。

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シェパードの大判のカラー挿絵が美しく、プレゼントによさそうである。原書の英語版の古書が¥2,521で手に入ることがわかったので、1冊、注文して到着を待っている。
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衝動買いの散財にあきれられそうだが、30年ぶりの大人買いである。ディズニーでは、ミッキーよりも収益の高いNo.1キャラクターのプーさんである。最初のプーさんの短編映画「プーさんとはちみつ」を初公開時にリアルタイムで見たのが1966年、背伸びしてちょっと難しい本をすぐに読んだら、挿絵がかわいいー!
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英国にはクマが動物園にしかいないそうだ。ぬいぐるみをモデルにしているから、こんなにかわいいのだろうか。ミルンの物語と一心同体のシェパードの挿絵のプーさんは、クリストファー・ロビンの髪のように明るい色に描かれている。それもかわいさのポイントになっている。
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プーさんとクリストファー・ロビンの住む100エーカーの森に一番あこがれたのは高校生の頃だ。今思えば「何もしない」をすることができない只中だったのだろう。若い頃には、その後も、多くの方々と同様、プーさんの世界に強くあこがれていたことを思い出した。
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今はといえば、ほとんどの時間、森の中にいるようなものである。プーさんのように詩をうたいながら夢中で、「何もしない」を毎日している。「何もしないをすることは最高の何かにつながる」(Doing nothing often leads to the very best kind of something.)手帳に貼った言葉である。
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物語の最後のときに、クリストファー・ロビンはときどきは森でプーさんと会おうと約束をする。そして「プー、ぼくのことわすれないって、約束しておくれよ。ぼくが百になっても」と言う。手帳に最後の挿絵を貼った。30年の歳月を経てみれば、毎日がこの絵のようだ。プーさんは忘れないでいてくれる!
(2021.11.26) 手帳2021-54