フランスのデパート誕生とイギリスのアリスは同じ時代。アリスの作者ルイス・キャロルも百貨店好きだった!?アリスが世に出たのは1865年、フランスでは1869年にブーシコーという人が百貨店を始め、みんなの大好きなデパートの原型が作られた。今の魅力を支える起源がおもしろい。
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「止まったものは腐る」ということばを残したブーシコーがつくった百貨店「ボン・マルシェ」では人の流れをつくるための工夫がこらされた。鉄道駅がモデルで、建物中央に吹抜けを設けて大殿堂をつくり、自由にお入りくださいがモットー、博物館としてのデパートには窓がなく、外の空間と遮断され、そこに並べられたモノは、使うモノというよりは、衝動買いを誘うためのオブジェとなった。
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先日LU社のサブレの広告を紹介したときの『フランスのヴィンテージデザイン』に、広告上手だったブーシコーによる「ボン・マルシェ」の広告があったので、ヴィンテージ感溢れる絵葉書、カタログ、クロモカードを手帳にも貼った。
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クロモカードは、多色印刷の一種、カラーリトグラフが考案されたことによって、それが広告に生かされるようになったものである。「クロモ」とよばれる彩色画が客の関心を引くのによいと、いち早く百貨店に注目され利用された。表に図版、裏に宣伝の文が書かれている。バラエティに富んだカードが生み出され、誰もがコレクションしようと店に足を運んだという。
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そして、食品・家庭用品の広告にも取り入れられていく。今では、のみの市やアンティークショップで探して集める人もいて、貴重なものとして大事にされている。「ボン・マルシェ」のクロモカード、かわいい。
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同じ頃、イギリスで1851年に第一回のロンドン万国博覧会があって、ルイス・キャロルは好んで出かけたらしい。いろいろなものが「起源」がないまま集まっているのを見るのが好きなノンセンス詩学のキャロルは、デパート好きでもあったのではないかと言われている。
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そう、お話の最初に出てくるとおり退屈にあきあきしていたアリスも、デパートが大好きに違いない。フランスのデパートを遠くから眺めるアリスを手帳に貼った。デパート大好き!おしゃれで、なごやかなイベントがいつも開催される、うめはん(阪急百貨店うめだ本店)の祝祭広場はみんな大好きだ。
(2021.11.04) 手帳2021-43