家に子どもがいないので知らなかった。「デザインあ」がおもしろい！今さらながらゼロから楽しんでみた。
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「デザインあ」は、NHK Eテレの子供向け番組である。お正月に「にほんごであそぼ」から生まれた「絵合わせ百人一首」で遊んで楽しかったので、調べていたら、そのデザイナーの佐藤卓さんが「デザインあ」の総合指揮をされていることを知った。
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2011年から放送されていて、2013年には22万人を動員する「デザインあ展」まで開催したというが、残念ながら知らなかった。言い訳をすれば、ここ10年は子どもが家にいなかった。今さらながら、ゼロからの「デザインあ」なのである。
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「デザインあ」、2021年に放送休止になっていた。音楽担当の方に問題が発生したためである。そのため今、NHK経由では見ることができない。DVDが3枚発売されているが、在庫切れでフリマサイトには1枚1万円前後の出品がなされている。これはハードルが高い。しかし、2021年7月1日からネットフリックスで見ることができるようになっていることがわかった。1時間27分である。(U-NEXTでも見ることができる。)
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そこで、早速見てみることにした。音楽にのせたアニメーションなどのショート動画のコレクションを、こぎみよいテンポで見せてくれて楽しかった。「デザインの観察」のテーマで、日本のほこるデザイン、有名な、こぼれないしょうゆさしの特徴を見せてくれる映像からはじまり、「あな」では、ものの穴の謎のシルエットだけを取りだして見せてくれ、「解散」では、もののパーツが次々に独立して動き出して分かれていき整列するサマをアニメーションで見せてくれる。
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円と直線だけで構成されている「もん」(紋)が描かれていく様子や、「つくる」で見せてくれる、手作りも含め、ものの製造過程も謎解きめいた映像で楽しい。
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「あな」と「解散」は人気テーマらしく、絵本が出版されているので、後日、機会があれば紹介する。
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映像を見て特に印象に残ったのは、人が何かをする動作を、ものを見せないで人の動きだけ見せ、何の動きかと興味をひくテーマの「アン・ドゥ・トロワ」や、カーディガンを着る動作のように、ふだんなにげなくしている動作を、ステップごとにすべて細かくナレーションして、いかにたいへんなことかと気づかせる「考えていない」である。
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また、ボーリングのボールは、大きな丸の中に小さな丸3つ、似ているものとして信号機は大きな丸の中に丸3つ、があるねというように次々と抽象的に見たときに似ているものを見せてくれる「SOUND OF COMPOSITION」や、コンパスや車のバックミラーのように、V字型からI I型への変形の抽象図形を示してたたんで閉じるものを集めて見せたり、釣り竿やリコーダーのようにI字型が縦に連なっているものをばらして並行なI I型に変形する抽象図形を示したりして、長いものを短くバラして並べるものを見せる「しまう」も、多数の中から同じパターンを発見するサマに感動させられる。
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他にもおもしろいテーマが目白押しで、もっとのぞいてみたくなり、テーマがわかっている絵本ではなく、『デザインあ みるほん』をまず手に入れた。
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しょせん本は映像にはかなわないかと思ったが、動画では味わえない静止した像の楽しみがつまった編集になっているし、ネットフリックスでは見ることのできないテーマやエピソードにもたくさんふれることができる。さらに、この本はコデックス装という、背表紙がなく糸綴りがむきだしの製本で、180度ひらくことができるようになっており、ページの紙質も味わいがある、紙の本にこだわったつくりの愛着がわく1冊になっている。
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「デザインあ」は2018年から2021年にかけて東京をはじめ、全国各地で展覧会をした。関西では滋賀の佐川美術館で開催されたそうである。全国の展覧会で、動画を含め、撮影自由であったため、ネットで展覧会の様子をうかがい知ることができる。テレビ番組を見たことのない人も訪れて、たいへんな人気だったようだ。
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シュールな楽しさもある「デザインあ」、
手帳には、『デザインあ みるほん』の中から、お気に入りの「おれがあいつで、あいつがおれで」の絵を貼りたいところだったが、憚られたので、コンセプトを思い出すことのできる別の写真を貼っておいた。このテーマ、最初の見開き、左にはグラス入りの牛乳と牛乳パック、右には草原にいる乳牛の絵がある。さて、つぎの見開きでどうなるか？ネタばれになるが、左ページにグラス入りの牛乳の横にたたずむ牛乳パック柄の牛と、右ページに草原に置かれた乳牛柄の牛乳パックに入れ替わる！信号機と三色団子なんていうのもあった！
（2022.01.06) 手帳2022-75
