カラーペンのトンボABTでレタリングしてみた。トンボABTをはじめての手帳に使うカラーペンとして選んだのだが、購入するときにリコメンドされたのが「ABTハンドレタリング・スターター・セット」だ。
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ABT5本と、細めの耐水性筆ペンの筆之助、そして、非売品の「ハンドレタリング練習BOOK」のセットで、定価1815円のところ1100円である。リコメンドされたものは、さらに値引きされていて971円だった。定価の半額近いし、非売品のブックレットも気になる。ものは試しと、購入してレタリングに挑戦してみることにした。
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ペンによる手描きアートは、カリグラフィーが有名で、専用のカリグラフィーペンを用いて、インクで描くという、けっこうハードルの高いものだったが、近年はもっとカジュアルに、ハンドレタリングといって、汎用のペンやApple pencilで描いた手描き文字が注目を集めている。購入したセットの名称も、ハンドレタリング・スターター・セットである。
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早速、付属の練習BOOKを開いてみた。これがとてもよくできていて、基本ストロークと小文字、大文字を、ハンドレタリング用としては太めの筆ペンであるABTで描くのに適した、大きめの文字で練習できるようになっている。トレーシングペーパーを重ねて描き、ひととおり練習した。
思いどおりに太くしたり細くしたりしながら文字を描いていくのは心地よかったので、もう少し知りたくなって、本を探してみると、トンボABTを中心とした情報提供をしているファン・アート・スタジオが作成した『カジュアル・ハンドレタリング・ライフ』という本があることがわかった。
もし上達したら、ページに描くだけでなく、こんな用途にも使えますよときれいな写真で夢を見せてくれる前半につづき、後半は、はじめてのハンドレタリングに最適な練習素材が掲載されており、ガイドシートをダウンロードして練習できるようになっている。
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ABT用に作られているのだが、セット付属のブックレットから、さらに進んで学べる内容になっている。文字ひとつひとつに、小さな赤字で描くコツが書き込まれており、それが5書体、さらに、すぐに使えるアレンジ例が掲載されている。数字がなく、アルファベットのみなのが疑問ではあるが、はじめてハンドレタリングをするには最適の素材満載だ。
実は、この本、Amazon kindle unlimitedにあるので、気軽に試せた。さらに、愛用している電子書籍サービスhontoで、1980円のところ、運良く期間限定で300円で購入することができた。
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ダウンロードしてプリントアウトした練習素材にトレーシングペーパーを重ねてABTで文字を描けば、気軽に何度でも試して描け、なかなか楽しい。トレーシングペーパーは1袋、A4が20枚で100均にも売っている。気軽なものであるが、今のような時代には、ハンドレタリングで文字を手描きするひとときは、なんとも新鮮で贅沢に感じられる。
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手帳の写真にあるHave a good Dayは、セットに入っていた、トンボABTの姉妹シリーズの細描き筆ペンの筆之助で描いたものである。2枚目の写真は、ABTではじめて描いた練習を記念に撮った。
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ハンドレタリングの世界も、他のアートの世界同様、奥深そうで夢を感じられる魅力的なものであることと、入口は意外に手軽でクリーンであることがわかった。いい気分転換にもなった。971円で、まだまだ楽しませてくれそうで最高のコストパフォーマンスだ。こんな出会いをつくってくれた手帳に感謝したい。
(補足)
ハンドレタリングの本としては、iPad(Apple Pencil)のための本も書かれている、島野真希さんの『筆ペンではじめるモダンカリグラフィー』も入門用としてまとまっている。島野さんは、手帳向けの本も書かれている。
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bechoriさんの本も見たが、上級者向けの内容が目立った。モノラインレタリングとブラシレタリングに分け、インクとペンの使用や色のアレンジ、日本語も含め、幅広い内容を扱っている。島野さんの2冊の本と、bechoriさんの本は、Amazon kindle unlimitedで見ることができた。島野さんの『筆ペンではじめる〜』は、冊子を購入もした。
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島野さんの本でもbechoriさんの本でも、入門用には、ペンテルの筆タッチ・サインペンを扱っている。島野さんの本のお手本にトレーシングペーパーを重ねて筆之助で練習してみたが問題ない。
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筆之助は耐水性・耐光性があり、ABTとの相性もいいので、わたしは筆之助を多く使っていくことになりそうだが、筆タッチの方がペン先がやわらかめなことと、入手しやすいために、入門用としてとりあげられることが多いのだろう。
(2021.9.13) 手帳2021-16