ネップリ体験!手帳に貼るきれいな紙をコンビニで買う。必要なのは印刷代だけ。インスタの手帳アカウントを見ていると、ネップリがよく登場する。
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ネップリとは、ネットプリントが略されたことばで、手帳用にネップリするといえば、コンビニのカラープリンタに番号を入れるだけで手帳に使う絵柄の小片が散りばめられたきれいな装飾用の紙を手に入れることである。カレンダーに合わせた日付見出しもあれば、文字入りラベル、さまざまな形の色ラベル、イラスト、パターンなどが、普通は、誰かセンスのいい作者によって描かれていて、それをコンビニのプリンタに番号を入力するだけで手に入れることができる。
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番号はインスタなどで公開されていて、手に入れたきれいな紙は、自由に切り抜いて、自分の手帳に貼りつけることができるのだ。自宅に、パソコンと、そこそこいいカラープリンタをもっているなら、絵柄のデータを公開してもらって、それをダウンロードして、プリントアウトすればすむことではないかと思ってしまう。ところが、データをユーザに渡さないで、絵柄のある紙だけ希望者に渡すことができるのがネップリなのである。絵柄のデータと、紙の用意を分けて考えてしまいがちだが、コンビニという共通プラットフォームを使うことによって、「きれいな紙」自体をシェアする。自宅に高価なカラープリンタがあるかないかにかかわらず、とにかく誰でも手軽に「きれいな紙」を手に入れられるのだ。
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はじめての手帳を楽しんでいるわたしも早速、ネップリしてみることにした。インスピック、フレークシールの次はこれである。ステイホームの日々だが、ご近所のコンビニにはすぐ行くことができる。インスタで調べてみると、多くの作者がネップリの番号を公開していた。番号を使用できる期限があるので、今日現在、ネップリできるものを探した。フォロワーの方のネップリの楽しさが伝わってくる投稿も参考になった。
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どれをネップリするか考えた。ガーリーなペールトーンやキャラクタは、わたしの手帳には合わないけれど、ほとんどのセンスある絵柄は、その路線。ちょっと路線を変える人が出てきたら、手帳の世界、いや、もっと広い世界に楽しい可能性が広がりそうだなどと思いながら、結局、選んだのは、フレークシールに続いて、例によって、シニアに無難なアンティークモチーフである。bottibon さんが公開しているネップリは、博物学誌の古典といった鳥や動物の極彩色の図柄で、わたしの手帳にも合いそうだと直感した。
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番号をスクショしてファミマに向かった。コンビニは久方ぶりである。あっけないほど簡単にネップリできた。これは楽しい。特にカラーは、自宅のカラープリンターに比べると、やや艶があってきれいに見える。最初の1枚目、うっかりして光沢紙にプリントするという失敗をした。しかし、それが、厚みがあって美しく、所有欲を満たすことのできるデキで、うれしい誤算である。
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カラーA4は、1枚60円、手帳には向かないものの美しい光沢紙にすると、倍の120円である。モノクロA4は1枚20円なので、モノクロの額縁パターンなどのデータも6枚プリントしてみた。今どきコインか千円札を入れなければならないのが、煩雑に思えたけれど、500円玉一つのお楽しみに、学校帰り、小さな文房具屋に立ち寄ったときのようなウキウキした気分を思い起こさせられ、それほど苦にはならずにすんだ。
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コンビニ大手3社のうち、ローソンだけ、新型のマシンを備えた大多数の店舗で、シールプリントができるそうだ。ローソンのシールプリント指定のネップリもシェアされていた。プリント代、250円で手に入る。3サイズあって、一番大きいサイズのプリント価格である。ayumi.plans さんのブログによると、米国では、手帳レフィルに「プリンタブル」で販売されたり、配布されるものがあって、購入者は自宅のプリンタでプリントアウトするのだそうだ。プリンタブルがネップリで広がったら、いや、広げられたら楽しそうだ。お金のことはともかくとしても、何か新しいことができるようになるかもしれない。
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早速、はじめてのネップリを切り抜いて手帳に貼ってみた。選んだ鳥は、なかなか雰囲気があって、ジョゼフ・コーネルの箱にあるようなコラージュでもできそうである。残念ながら、わたしは、芸術家たるコーネルのように、換気扇を組み合わせる才覚は持ち合わせないので、封蝋のマステを添えておいた。
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シニアのはじめての手帳にネップリが役に立つかというと、シェアされている図柄に偏りがあるため、用途は限定的だと思われるが、
ネップリの世界の可能性の広がりに思いを馳せながら、一度、体験してみるのも悪くないのでは。
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オリジナル素材をカラーで美しくプリントアウトして切り抜きシールをつくることができる、ローソンのシールプリントは魅力的である。ただ、オリジナル素材に凝り出すとキリがないというところもあって、クラフト的な傾向にあまり走り過ぎない方が、忘れないための、はじめての手帳を続けるには良さそうである。オリジナルの楽しみを満たしたければ、まずはインスピックで、というところだ。
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はじめての手帳に最初はマステ、つぎにテンプレート、そしてシールは、まずインスピックつぎにフレークシール。番外編はネップリである。
右ページ写真は、5ヶ月ぶりに行った大阪梅田。ステイホーム前は、毎週行っていた。大阪駅前グランフロント大阪の、夏の装いテッド・イベール、愛称クール、会いたかった!もちろん手帳にインスピックした。
(2021/8/31) 手帳2021年-009