手帳

白い紙100種類 そしてアリス

2021年12月29日

手帳と竹尾「500種類の紙セット」白

たかが白い紙。でも、白の紙だけで100種類。そして、鏡の国で最後に白の女王になる前にアリスが出会い、別れを惜しんだ奇妙な老いた白い騎士はルイス・キャロルだった。

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紙の総合商社、竹尾の500種類の紙セットは、5回に分けて1回に100種類ずつ送られてくる。1回目のブラックばかりの100種類に続き、2回目はホワイトばかり100種類が送られてきた。さすがに白ばかり100枚は飽きるだろうと思いながら、ブラックのとき同様に、竹尾のサイトで紙の種類の名前を順に検索して説明を読んでいった。

竹尾「500種類の紙セット」白のセット100枚
竹尾「500種類の紙セット」白のセット100枚

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どうしてどうして、見応え、触れがいのある紙に出会うことができた。まあ、素人のことなので、どうしても特徴の際立った紙がいいなと思ってしまうところはある。レイド(縞目)のあるもの、T-EOS(ティオス)シリーズのようにエンボスのあるもの、「玉しき」というドット模様のあるもの、千鳥格子模様の「オーディス」(フランス語で水の精)。
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紙の種類の説明を見ていくと、印刷特性のことが繰り返し出てくる。質感との両立がめざされて開発されているわけだ。写真集や図録に向くか、強度との関係でパッケージに向くかということも出てくる。「耳付」という特徴をもつものもあった。紙の端を仕上げ断ちしないで、漉き上げたままにしてあるのだ。
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コラージュしたり、紙遊びをするのにいいなと思ったのは、「クロマティコA-FS」ヨーロッパ生まれの上品なトレーシングペーパーなのだが、7色あるそうだ。

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さて、白ということで、手帳には、チェスの白のポーン(歩兵)から白のクイーンになったアリスを貼った。『鏡の国のアリス』の中でのことである。チェス盤上を移動するようにしてアリスは進んで行くのだ。

白のクイーンになったアリス
白のクイーンになったアリス

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チェスの駒は白と黒であることが多いが、『鏡の国のアリス』の中では白と赤である。そして、アリスは白だ。チェス盤上を物語の中で移動して盤の端にたどりつきクイーンに変わる直前に会うのが、老いぼれの白の騎士である。落馬ばかりして、ナンセンスな詩を口にするこの老いぼれ、なんと、物語の中で唯一アリスが好ましく思い出にとどめる登場人物である。

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手帳の左ページに、アリスに見上げられている、老いぼれた白の騎士を貼った。

白い騎士
白い騎士

この老いぼれはルイス・キャロルだといわれている。挿絵を描いたテニエルは『鏡の国のアリス』の冒頭に、この絵を描いた。未来に向かうアリスの心に残る、年老いた自分を思い描いたキャロルに共感して親愛の情をおぼえずにはいられない。そして、もう一度、白い紙100枚をたぐった。

(2021.12.29)  手帳2021-71

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