手帳

プティブールのヴィンテージ広告

2021年11月2日

手帳とフランスのヴィンテージデザイン

フランスのヴィンテージ広告かわいい。LU社のビスケット、プティブールが表紙の楽しい本を見つけた。

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フランスの広告のグラフィック広告の歴史をたくさんのヴィンテージ図版とレアな26のおまけつきで見せてくれる、おすそ分けファイルみたいに楽しい大判の本である。
表紙になっているのは、フランスにいたことのある人なら誰もが知っている、スーパーマーケットでも売られているLU社のサブレ、プティブール。

『フランスのヴィンテージデザイン』
『フランスのヴィンテージデザイン』

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プティブールは、フランス語の小さなバターを意味する。1846年の創業者夫妻のルフェーブルとユティルの頭文字を合わせてLU(リュ)の社名である。1886年に末息子のルイが、プティブールを発売して大ヒットした後、1900年のパリ万博でグランプリを受賞し、地位を不動のものにした。

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フリルのような縁のある長方形は、お茶の時間に使うレース編みの敷物をモデルにしていて、4つの角の突起は耳で四季を表す。フリルの歯は4つの耳の間に長さ方向14個、幅方向10個あり、「4つの耳と48の歯」あわせて52個で1年52週を表し、表面の横6つ、縦4つに並んだ点24個は、1日24時間を表す。いつでもプティブールをどうぞというわけだ。
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一箱分8個の厚さが、1個の幅と同じで、立方体のパッケージというのも売りだった。下の写真の広告イラストに描かれた、右の女の子は立方体のLUのパッケージを持っている。

LU社のプティブールの広告
LU社のプティブールの広告

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なぜ、広告の本に出てくるかというと、こうした広告の才に長けたことで有名なのである。

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フランスでは誰もが知る、手帳に貼ったイラストの男の子は、LU社のアイコンで、1897年にフィルマン・ブイッセという児童書の挿絵画家に依頼して制作されたものだ。ブイッセは、小学生である自分の息子にポーズをとらせて描いたという。
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その後も、日本でもファンの多いミュシャや、サヴィニャックなど著名人がポスターを描いたり缶を作ったりしたので、美術館まであるそうだ。アンティークやレプリカが取り引きされている。

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ここまで話をして恐縮なのだが、LU社のプティブールは、日本では普通には手に入らない。メルカリなどでLU ビスケットで検索すると、かわいいグッズとともに高額で出品されている。ピンズやコースターぐらいなら買えそうか。ビスケット缶や、トレードマークの男の子が持っているLUマークのかごは魅力的だ。LUのビスケットやグッズ、フランス土産に良さそうだ。
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20枚入り¥3,888円と、これもけっこうなお値段だが、フランス製バターで有名なエシレのお店でエシレで作られたプティブール エシレを手に入れることができる。これはおいしそう!有名なエシレのお店、東京では新宿・渋谷・横浜で、そして名古屋で手に入り、大阪梅田では残念ながら扱われていないようだ。公式の通販がないので東京土産にいいかもしれない。
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うめはん(梅田阪急)のエシレは様子を知っているが、開店前から行列だ。時間制で販売のブリオッシュとオムレットは、特に人気で、いただいたことがあるが、文句なしに人におすすめできる。サブレとガレットの1枚売りもちょっとした、おやつにうれしい。食べログでもgoogleマップでも高評価である。

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フランスのヴィンテージ広告の本、LUの広告以外にも、まだまだ話題とイラスト満載で楽しい。また、エピソードや図版が手帳に登場することもありそうだ。

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LU社は、1986年にダノンに買収された後、2007年に、ネスレ、ペプシコに続く世界第3位の食品企業モンデリーズ・インターナショナルのものになっている。モンデリーズは旧クラフトで、リッツ、オレオをヤマザキナビスコから2016年に受け継いで、非国産にした結果の評判がいまひとつなど、日本戦略に成功したとは言いがたい。アメリカでも手に入るようなので、ブランド力や品質が落ちていないか心配だ。

(2021.11.02)  手帳2021-42

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あってい

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