55年前の愛しの「スピログラフ」、今、楽しむために、安価な「もどき」は使えるか?試してみた。
スピログラフ「もどき」を試す
「もどき」の基本セットと応用セットを手に入れた
55年前の「スピログラフ」の豪華セットを発見して楽しんだ。これから新たに楽しみたいのならどうするか。「スピログラフ・デラックス」は5000円弱だが、それと同等の22個のパーツから成る、安価な「スピログラフもどき」のセットを手に入れてみた。600円で買ったが、おおむね1000円強で購入できるだろう。
同じくらいの価格で別売りされていた応用セットも手に入れ、あわせて試してみた。
基本セットと応用セットを100均のケースに収納した。
固定の方法に工夫を
55年前のオリジナルの「スピログラフ」では、ピンで、パーツを固定できるようになっていたが、そうした方法がとれないので工夫する必要がある。手だけで固定しようとするのは、やめた方がいい。マスキングテープを貼るなどした上で、手でおさえるといい。
練り消しでおさえて固定するのがオススメだ。消しゴムスタンプづくり用にストックしてあったものを使った。
描くペンは?
描くペンは、ジュースアップ0.4を使った。YouTubeでジュースアップによってスピログラフを描く動画を見たことと、手帳用に複数のカラーをもっていたので使用した。写真はメタリックカラーで描いたものである。シャープで繊細な見た目に描くことができるが、もっと太めでソフトな線の方が見映えがする場合もありそうだ。ペン選びは試行錯誤の余地がある。
描く紙は?
紙は、最初、普通のプリンター用紙を使ったのだが、繰り返しが多くて交差の多い模様のときは、交差部分に穴が空いてしまったので、手持ちの、やや厚手になるインクジェット用紙のうちの安価なものを使った。これは、ペンとの相性になるだろう。
固定のための練り消し使いのコツ
固定のための練り消しは、ちぎったあと、スムーズになるまで丸めてから、軽く押しつけるようにしてはりつける。ちぎった直後のボサボサのまま、紙に押しつけると、描き終わってはがすときに、紙に練り消しのカスが残ってやっかいである。
「もどき」より本家の方が楽しめそう
55年前からある基本形の丸い歯車では、いちおう描くことができたが、4つの変形歯車で描くのはかなり手こずって、2つはあきらめた。
変形歯車、「もどき」でなく現在の正規の「スピログラフ」の製品であればうまく描けるのだろうか。普通の丸い歯車にしても、55年前の「スピログラフ」で描くときの方が、「もどき」に比べると歯の噛み合わせがスムーズである。
さらに、リングや歯車などに表示されている目盛りと歯の位置合わせの精度が、55年前の「スピログラフ」の方がしっかりしている。歯車のリングに対する位置をずらして複数回描くといった、高度な描き方をするには、大切なポイントになる。
試していないので、断言は避けるが、55年前の製品の精度からすると、本格的に楽しみたければ、「もどき」より、今売られている本家の「スピログラフ」の方がよさそうである。
スピログラフ「もどき」応用セット
「スピログラフもどき」の基本セットといっしょに手に入れた「もどき」の応用セットは、リングが三角形のものと四角形のものがあり、歯車の形もバリエーションに富んでいて楽しめそうに思った。しかし、いくつか試したところ、連続して回転させていくのがとても難しく、数個描き上げただけで、音を上げてしまった。
基本セット、応用セットともに、図柄は、1歯車で1回描いただけのシンプルなものばかりである。
心はアプリへーアプリとの出会い
「もどき」でも、慣れればもっと楽しめそうだが、早々と描くのを切り上げたのには、訳がある。素晴らしいアプリを知ってしまったからである。そのアプリに出会わなければ、もう少しがんばっていたかもしれない。たしかに、手を動かして遊ぶことの楽しみもある。とはいうものの、55年前の「スピログラフ」に付属していた解説書で知ったテクニックを使って、複雑な図柄を描きたいという思いでいっぱいのところに、アプリと出会ってしまったのである。
無料で楽しめるということもあり、アプリは超オススメだ。後日、ご紹介する。(先日のポストでもお伝えしたが、ご紹介するのは、スピログラフという名のアプリではない。多くの人にとって、もっと楽しめるであろうアプリがある。)
今も魅力的なスピログラフおもちゃーアプリ体験でいっそう高まる楽しさ
手帳には「スピログラフもどき」で描いた図柄から、左ページには基本セットで描いたものの写真を、右ページには応用セットで描いたものの写真を貼った。1歯車で1回描いただけのシンプルなものばかりである。ちょっと知的でおしゃれなおもちゃとして、55年を経た今も「スピログラフ」はとても魅力的だ。その楽しさへの期待は、アプリの体験によって、いっそう高まることだろう。
(おまけ情報)100均の「もどき」で体験することもできる
100均のもので体験したいという方もいらっしゃるかと思う。近所のセリアで手に入った「くるくる定規セット」についても、ご紹介しておく。
外枠の固定歯車1種と回転歯車3種、赤ペン・青ペン、描画用紙が袋に入ったセットで、これさえあればすぐに遊ぶことができる。
固定歯車の歯数は96と、代表的な数である。回転歯車の歯数は、63、52、36で、異なる趣向の図柄ができるような組み合わせになっている。ペンと紙の相性もよく、歯車の噛み合わせもスムーズで、よくできている。大人の方は、すぐ飽きてしまわれるかもしれないが、ひとしきり楽しめる。ごく小さなお子さんにはじめて気軽に遊ばせたいときなど、いいかもしれない。
(2022.03.31) 手帳2022-116