手帳にスタンプ!いよいよスタンプである。スタンプの良さはくりかえし瞬時に使えること、ではあるが、昔の学校の先生じゃあるまいし、あの「たいへんよくできました」のスタンプのように大量にくりかえし押すわけではないのに手帳に必要だろうか?
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たしかに、特に、日付のない白紙の手帳の場合に、定形枠や、曜日の文字・日付の数字などを、きまったかたちでページにおしていくことができれは役に立つかもしれない。でも、ネップリ、ネットプリントだってあるぐらいで、美しい色合いでプリントされた紙を貼ればすむことではないか?アイコンとしての使い道はどうだろうか、パートナーとのデートの約束の日にコーヒーのスタンプなんてどうだろう。シールの方がつややかだし、テンプレートの方がクリーンに手間入らずではないか?
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スタンプを手帳に使うことに関してはやや懐疑的なまま、スタンプを手に入れてみることにした。
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調べてみると、現在、主流のスタンプには、昔からあるゴム製の印字面をもつラバースタンプ、透明なフォトポリマーという素材でできていてシート状になっており、使う都度アクリルブロックに貼りつけて用いるクリアスタンプ、消しゴムはんこの3種があることがわかった。クリアスタンプは、比較的新しいタイプだが、最近は、100均の製品もある。透明なため位置決めがしやすいのが特徴だ。やや大きめの平らなアクリルブロックにスタンプ片をレイアウトして貼りつけ、好みのスタンプ面を構成することも可能である。消しゴムはんこは趣味のクラフトとしてご存知の方も多いと思うが、完成品も既製品として販売されている。まずは、手軽さや耐久性などの点で管理しやすいスタンダードなラバースタンプを手帳用に手に入れた。
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結果としては、はじめての手帳にスタンプ不要との抱いていた懐疑は、崩れ去った。紙に押すという行為もインクのかすれも、心地良いのである。幼児の絵遊びの題材にスタンピングというものがあり、さまざまな物体に絵の具をつけて、ひたすら押しまくるということをさせると、夢中になって取り組むように、スタンプするということは、本質的に人にとって好ましい行為なのだろう。大人もスタンプすることで、癒しを得られるところがある。気分転換にいい。
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キュートな図柄のものが目立つが、シニアのはじめての手帳におすすめのスタンプはシンプルなテイストか、例によってアンティークなテイストをもつものだろう。印面は小さ過ぎない方がセラピー効果を得やすいように思う。
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センスのいいスタンプはけっこう値がはる。魅力的なものがたくさんあるとはいえ、作家さんの個性が色濃く出ているものになりがちなので、スタンプ使いに慣れて、少し目が肥えてきてからのお楽しみとしてとっておきたい。忘れないためのはじめての手帳を長く続けるには、装飾やクラフトに走り過ぎないよう自重しておくのもコツだろう。
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手帳にはじめて使うスタンプには、デルフォニックスさんのものを選んだ。手帳用をうたい、単純なアイコンの図柄をもつスタンプで1個350円から400円くらいのものを探したが、小さいものが大部分で、デルフォニックスさんのものは2.5cm角あり、ほどよい大きさで、ある程度の大きさが確保されており、スタンプすることの楽しさと癒し効果が得られる。図柄もガーリーさのない男女兼用できるシンプルなテイストに好感をもてた。
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実は、写真にあるスタンプは、梅田のグランフロント大阪の地下のデルフォニックスさんのお店Smithで半額に値下げされているものを手に入れた。特に、本のスタンプの甘過ぎない図柄が気に入っている。アイコンの下に文字を書き込めるラインが1本入っているところに一工夫あるのも気に入っている。定価でも良心的な価格設定なのに、半額で1個193円とはうれしい。
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スタンプを手帳用に気軽に楽しんで使うために、どうしても用意したいのが、手帳の紙に合った、つまり裏写りしたりしない良質の専用スタンプインクである。ツキネコのバーサマジック デュードロップ(Versa Magic Dew Drop)が定番である。涙形をしたケースは小型で、印面を前にして立てておくこともできる。わたしは、5色手に入れてみた。驚くほど色数が豊富で目移りしたが、黒、ミッドナイトブラック1色でも良かったかもしれない。定価286円。
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絶対に手に入れるべきは、同じくツキネコのスタンプクリーナー495円である。スタンプクリーナーの口についたスポンジで、スタンプを使った直後にスタンプ面をなでて、クリーナー液をなじませ、ティッシュをあて、さらに、綿棒でぬぐうとインクがよくとれる。
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2枚目の写真のように、スタンプとインクと綿棒をすべて、ダイソーの透明アクリル3段引き出しケースに入れた。スタンプを1番上の段に入れておくと、図柄がよく見えて使いやすい。
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安価な専用のインクとクリーナー、ティッシュと綿棒があれば、思っていたより、手軽でクリーンに使用できる。さらに、連続パターンを構成したり、多色刷りをしたり、自作したりとクラフト的な版のもつ深い魅力にハマってしまう方もいるかもしれない。
スタンプのもつ癒し効果と独特の風合はシニアの手帳にもおすすめだ。
(2021/9/1) 手帳2021-010