冬の星座探索のお供はアプリ「Star Walk2」!でも、おさるのジョージを描いたH.A.レイさんのクラシック絵本『星座を見つけよう』が愛おしい。
『星座を見つけよう』
日本では1969年初版の科学絵本のロングセラー
子どもの頃の愛読書『星座を見つけよう』が今も広く愛読されていることを知って、手に入れてみた。
日本では1969年初版である。新しく発売されたばかりの1冊を両親にねだって買ってもらったことを憶えている。原書の発行は1954年というから、科学絵本のロングセラーである。「わく星早見表」は、新しいものに替えられていた。
おさるのジョージで有名なH.A.レイさんのイラスト
おさるのジョージで有名なH.A.レイさんらしいイラストで描かれた愛らしいちびっ子2人のナビゲートに身をゆだねて楽しむ絵本、絵本とはいっても、星の基礎知識や神話についてなど情報量は多い。
何といってもタイトルのとおり、星座を夜空の満天の星々の中から見つけることができるようにと、星座のパターンがやわらかな手描きのイラストで多数示されている。
「夜、星がかがやきだすと、空はいきなり、ものすごく大きな絵本にかわってしまう。…星の絵さがしゲームをはじめよう。」とやさしく語りかけてくる絵本である。
アプリStar Walk2で、星座探索に挑戦
あこがれの星座探索
実をいうと、この本を愛読していた子ども時代、都会暮らしの近眼で、実際には、プラネタリウム通いがもっぱらであった。夜の散歩で、あそこに、こんな星座がある、あんな星座があると気軽に見つけられたらいいなあと思いつつ歳を重ねてしまった。
アプリStar Walk2 はAR機能つき
そして今回、あこがれに挑戦である。かつての愛読書の絵本を手に入れたものの、実際に星座を見つけるのはハードルが高かった。星座を見つけに、冬の夜中に歩いて散歩に出かけようという気にさせてくれたのは、アプリ「Star Walk 2」のおかげである。絵本と違って懐中電灯はいらない。夜間モードにすれば、暗さに慣れた目を邪魔しない表示になる。方位も自動設定できる。もちろん現在時刻の空の自動表示をしてくれて、AR機能までついている。
スマホを空にかざして星座探しに興じる
スマホを空にかざして動かし、星座を探す。しし座とふたご座がすぐわかった。オリオン座がすぐそばにある。北の空の北斗七星を含む、おおぐま座と北極星ポラリスも、はじめての空だったが、すぐわかった。これはいい。しばらく夢中になって星座探しに興じた。
『星座を見つけよう』はもう役に立たないか?
星の結び方ー星座線
では、もう『星座を見つけよう』で、星座見つけのコツをつかむのは無駄だろうか?実はそうでもない。星の領域については、星座ごとに国際天文学連盟で定められているが、星の結び方、すなわち星座線は決められていない。そこに、H.A.レイさんのグラフィカルなセンスの輝きを見ることができるのだ。
一目で印象に残るパターンの星座線にするH.A.レイさんのグラフィカルなセンス
たとえば、アプリで見つけた、しし座の星座線、『星座を見つけよう』の星の結び方の方がきれいなのである。アプリの星座線は、重ねて描かれた具象的な絵と合わせて理解しやすいように設定されているのに対し、H.A.レイさんは星だけで星座のかたちが成立するよう、そして一目で印象に残るようなパターンとして星座線を描いてくれている。
有名なオリオン座の場合
有名なオリオン座の場合、一番下に並んだ2つの明るい星を、アプリでは線で結んでいる。重ねられている絵において、オリオンの胴体の終わり、足のつけ根という関係になっており、絵で足が書き足してある。一方で、H.A.レイさんは、星だけでオリオンを表して、2つの星の間を線で結ばず、2つの星は足の先として見立て、星だけで、足まで表現するのである。
星の並びを見立てるという自然な行為に忠実に、そして美しく
星の並びに、何かのかたちを見立てるという自然な行為に忠実で、結んだ線のパターンが美しいのがH.A.レイさんの星座の作画なのだ。今も、『星座を見つけよう』が愛される秘密はこんなところにもありそうだ。
アプリと絵本と
手帳には、オリオン座のアプリ画面と、絵本『星座を見つけよう』のH.A.レイさんのイラストを貼った。どちらも手にすることのできる幸せをかみしめながら。
(2022.02.24) 手帳2022-99