1本300円の色鉛筆で写真みたいに赤とうがらしを描いた。実は本に書いてあるとおりにしただけ。ファーバーカステルの色鉛筆ポリクロモスで。
♦️♦️♦️♦️♦️
ファーバーカステルのポリクロモス120色セットを家で発掘したことを先日紹介した。使わないで眺めることに満足しきっていたが、これで絵を描いてみたらどうだろうかと、気まぐれを起こした。色鉛筆画の本を探したところ、『写真みたいな絵が描ける色鉛筆画』という本がなかなかの人気であった。ポリクロモスを使って、解説しているとのことで興味を惹かれ、つい色鉛筆で描き始めてしまった。著者の三上詩絵さんは、テレビ出演もされて有名人のようだ。
🔶
テキストによると、色鉛筆の軸の色と実際の描いた色は一致しないので、最初に色見本を自作しなさいとのことだった。120色分の6mm四方の正方形を描いていく。それも各々の色、濃く塗った場合と薄く塗った場合を作る。写真にある、たくさんの色が並んだ色見本票が、できあがったものである。描きたいものに、色見本票を近づけてみて、同じ色がどれかを探すのだ。
🔶
写真をトレースして、ケント紙に下絵を描いてから、着色していく。ここで、もう一つ、色の操作のために道具を作りなさいとのことで、そのとおりにしてみた。紙に6mm四方の正方形の穴を開けて、そこから描きたい写真の一部分をのぞき、色の観察をして混色計画を練るカードである。実際に穴の脇に、複数の色を重ね描きして、できた色を穴の中と見比べていくのだ。
🔶
穴から見る色は、ごく一部だけなので、写真全体を見たときの印象に惑わされないで、描く色決めができる。なるほど、これが写真みたいに描く手立てになるのかと納得しながら、混色をした。
🔶
本に掲載されている作例は10個で、それぞれ描き方のプロセスがかなり詳しく書かれている。種を明かせば、使うポリクロモス色鉛筆の色番号まで紹介されている。(本では、36色セットを薦めている。)
🔶
オリジナルを描くのは、それなりにハードルが高いけれど、ちょっと夢を見させてもらうことができる。なにしろ、本物らしく描くことに、ヒトは憧れを抱きがちである。それが、自分で描けるのだ。ただの、ものまねと、アーティストさんからは馬鹿にされそうだが、しばしば色鉛筆の使い路とされる塗り絵よりは高度な印象があるし、できあがったものを自分で飾る分には、オリジナルかどうかはそれほど問題ではなく、満足度は高い。写真立てに入れて飾ればぐっと気分も盛り上がる。
♦️♦️♦️♦️♦️
描いた記念に、赤とうがらしの色鉛筆画の写真を手帳に貼った。赤とうがらしの写真で良さそうなものである。なぜ、ヒトは写真みたいな絵を描くことに、こんなに喜びを感じるのだろうか?それは、なぜデジタル機器があるのに、手帳を書くのかという理由と、どこかでつながっているように思える。
(2021.10.18) 手帳2021-34