しかけ絵本『クリスマス・アルファベット』を開いた。アルファベット文字のそれぞれで始まる、クリスマスにちなんだワードをテーマとした立体がとび出してくるカードが、ページに並べてある。なかには謎のワードも!
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『クリスマス・アルファベット』は、サブダさん作の有名なクラッシックだ。1994年作で、何度か表紙の装丁を変えては発売されている。ダイナミックなしくみづくりはサブダさんらしく、カードの開閉に合わせて鳩(DOVE)がはねを大きくはばたいたり、ろうそく(CANDLE)の炎が回転したりして楽しい。
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それに加え、この本を魅力的にしているのがカラリングである。とび出すしくみは、気品を感じさせる白一色で作られていて、カードの表紙はさまざまな色の上品なさっとりしたトーンにされている。クリスマスのきらびやかさとは一線を画した静かさを感じさせてくれる心地よいカラリングなのである。子どもへのアルファベット学習用プレゼントにする方もいらっしゃるけれど、大人の感性に応えることのできるおしゃれさである。(日本語版¥3,300である。人気のようで、アマゾンでは、もう年内には手に入らない。古書なら安価に手軽に入手できる。)
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Aから順にワードをたどっていくと、見慣れないワードが出てくる。MのmangerとYのyule logである。
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mangerは、クリスマスのキリスト降誕で、赤ちゃんのキリストが寝かされている飼葉(かいば)おけだ。日本では、あまりポピュラーではないけれど、Away in manger 飼葉のおけでというタイトルのクリスマスの讃美歌、クリスマスキャロルの一つがある。キリスト降誕を題材にした歌である。
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yule log、ユール・ログは、クリスマス前夜に燃やされる大きな薪(まき)の丸太だ。木の形をしたクリスマスケーキ、ビュッシュ・ド・ノエルのモデルであると聞くと、なるほどと思われるだろう。フランス語で、クリスマスの木を意味する名前が日本では広く使われているが、ユール・ログ・ケーキという名称を目にすることもでき、同じものである。
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手帳には、子どもたちがユール・ログ、クリスマスの丸太を引く絵を貼った。絵の下、左右のページをまたいでyule-logの文字が見える。19世紀までは盛んだったそうだ。『クリスマス・アルファベット』のアルファベットを一日一つたどっていけば24番目にXがあり、クリスマス。本棚の奥から出てきた、この本、今年は、12月1日から、アドベントカレンダーのように一つずつカードを開いてクリスマスまで楽しく過ごそう。
(2021.12.01) 手帳2021-57